本日、ネットショップ側にて販売開始しましたのが、「垂れみつ」です。
「垂れ蜜」と書くこともありますが、どちらも同じものです。正式には「流出はちみつ」とか呼ばれているようです。
今日はこれについての解説になります。
さて、垂れみつのお話をする前に……一般的な瀧養蜂場の通常商品は、
まず、蜂の箱から巣板を取り出し、表面を切ります。
そして、遠心分離機を使って脱水するように蜜を絞ります(絞るというより「飛ばす」という表現のほうが適切かもしれません)。
手に持っているのは「漉し網」で、この網で荒ゴミ(巣の欠片など)を取り除きます。
さらに細かいフィルターを使って徹底的に不純物を取り除くことも可能ですが、花粉などはそれそのものが栄養源としても知られていますので、あえて一段濾過のみ行っています。
こうして得られたものが蜂蜜です。
ビンもしくはボトルに詰めると、このようになります。
……と、ここまでは普通。では本題。瀧養蜂場の「垂れみつ」は何が違うのか。
それは、まず太陽熱を使わず、遠心分離も行わない、ということ。
他のはちみつ屋さんでも「垂れみつ」を売っているかもしれません。そういうところは伝統的に太陽光を使って巣板を温め、それによって垂れる蜜を採取していると思います。
瀧養蜂場ではこの「加温」を行っていません。温めると流出がよくなりますが、はちみつにとって熱は天敵と考えており、熱を極力(*)加えないやり方で採取しております。
*「極力」という表現には意味があります。熟成された巣の貯蜜部には蝋によってフタがされてしまいます。そのままでは蜜が出てこないため、温めた刃物で手早くフタを切り落とすためです。
そしてもうひとつ大切なこと。それは「巣のフタを切り落とした瞬間に自然に流出した蜜のみを採取(回収)していること」です。長年、養蜂をやっている方からすれば「なんだそれ」と思われてしまう方法なのですが、この方法にこだわり続けています。
しばらく放置しておけば、当然それなりの量の蜜が流れ出してきます。が、不純物も混ざりやすくなります。色々試した結果、フタを切り取った瞬間に流れ出るものが良い感じだと思い、この方法で採取を行っています。上の写真は200グラム瓶に入るはちみつですが、巣枠2枚(4面)から3枚(6面)で、採取できる量はこの程度です(これでも多いかもしれません)。
実際に保存してある生産データから確認すると、すべてのはちみつ採取量の2%から3%程度しか、垂れみつは得ることができません。
このように採取量が非常に少ないため、通常の蜜とは違い、毎月ごとに分けて保管しております。今回お売りする垂れ蜜は、このようにして作られています。もうちょっと写真を掲載したいところなのですが、手持ちに良い写真が少ないことと、あまり掲載しすぎると重くなってしまうので、これ位で勘弁してください。
さて、いかがでしたでしょうか。瀧養蜂場の「こだわり」を少しでも感じ取って頂けたなら、幸いです。
次回は、実際に購入者の方から送っていただきましたレポートを掲載したいと思います。