◆こちらの情報は2022年のものです。
現在、瀧養蜂場は代表者療養中(こちら参照)、回収依頼については可能な限り対応したいとは思っておりますが、どこまで対応できるか不明です。ご了承下さい。
本年(2022年)は過去にない程に、みつばち回収の依頼が入ってくるため、緊急でお知らせします。
通常、瀧養蜂場には年に2~3回程度、みつばちの回収依頼が入ります。ちょっと見えにくいかもしれませんが、写真にあるような蜂球(ほうきゅう)が木にぶら下がっているから何とかしてほしい、とか、家の屋根裏や壁の中にミツバチが出入りしているので何とかしてほしい、とか。対応可能であれば回収に伺うようにしておりますが、代表が多忙のため、全てに対応するのが困難な状況です。
ちなみに本年、富士市役所の市民安全課からの相談もあり、市民安全課に届くミツバチ回収に関する話は、市役所経由で当方がお話を伺うようになっております。(※スズメバチの駆除は市役所さんのお仕事ですので、当方では受けられません)
また、現在の富士市はちょっと特殊で、富士川より西側のエリアは富士市であっても養蜂協会の富士地区ではないため、対応できません。これは静岡県養蜂協会の富士地区支部が富士川より東側の富士市と富士宮市が管轄地域で、西側は別エリアとなっているためです。
ですので、瀧養蜂場で対応可能なエリアは「富士川以東の富士市と富士宮市」です。沼津市についてはエリア外ですが、養蜂家さんが見つからない・対応できない場合に沼津市西側エリアについては緊急的に対応可能な場合があります。但し、原則管轄エリア外のため、近くの養蜂家さんを探すことを強くおすすめします。富士宮市については養蜂家さんが多いので、こちらに連絡するよりも近くの養蜂家さんのほうが対応が早いと思います。
***ここまで富士市付近にお住まいの方向け***
***ここからは近隣に限らずネット上で情報を探している方向け***
それでは、改めて「ミツバチを確認した時の対応」について、困っている方のために掲載いたします。
木や軒下に「球状にぶら下がっている」状態の時
この状態のミツバチは非常に温厚です。上の写真では私がフル装備していますが、実はこんな装備をしなくても大丈夫で、正直なところ素手で扱っても刺してきません。服に入られると厄介なので一応作業着を着ていますが。
分蜂(巣分かれ)したミツバチは、女王を守ることを第一に、新しい居住地を探すことを第二にしており、そのために「満腹かつ防御優先」状態ですので、たとえば蜂球に手を突っ込んでも、刺してくることはほぼありません。それくらい温厚です。但し、飛んでいるミツバチを振り払ったりすると攻撃してくる可能性はありますし、石やボールを当てれば流石に怒り狂って攻撃してくると思うので、そういう事はしないでください。また、お化粧をしている女性は攻撃対象になりやすいので(※化粧品の成分に攻撃フェロモン系と似通ったものが含まれている可能性が高い)、あまり近寄らないことをおすすめします。
さて、この状態のミツバチは、早ければ1~2時間、天気が悪化したり、なかなか良い住処が見つからないと1~2日、球状のまま群れを維持します。当方の知る限りの最高記録では、3日間その場所から動かなかった群れもありました。ところが天気が良いと、通報を受けてから出動し、到着するまでに住処を見つけて飛び去ってしまう事もあります。
もしも、このような蜂球を見つけた場合、基本的には触らずに。しばらくすれば渦を巻いてどこかへ飛んでいってしまいます。家の近くにいる時は、網戸を忘れずに。探索チームがブンブンと飛び回って家の中、時に換気扇から入ってくる事もあります。
あと、これは物理的に仕方がない話なのですが、高さが「建物の二階よりも高い場所」にいる場合、こちらの手が届かないため放置する以外に対応できません。
建物の隙間から出入りしている時
出来るだけ早く対応する必要があります。神社の社の中(天井)にひっそり居座っていたり、珍しい例だと墓石の隙間を出入口に巣を作ることもあります。放置すると屋根裏・天井裏が大規模なコロニーになっていたり、真夏に暑さで蜂蜜や溶けた巣が落ちてきて、天井や壁紙を痛める原因になります。
瀧養蜂場では、ミツバチの保護の観点から回収作業については(例え空振りとなっても)費用を頂いておりません。(他の養蜂家さんや業者の方については作業者の考え方に依ります。ですから「ここはお金取らないって書いてあるよ!」みたいな言い方は決してしないように。)
可能な限り建物にダメージが出ないように確認と作業の提案をしますが、作業後の修繕に関しては建物所有者の方にお願いしています。「どうしても建物の一部を壊す必要がある」「人間が入れないような場所に巣がある」場合は、回収ではなく駆除で対応します。
家の中にミツバチが入ってくる場合
慌てず、まずは原因を考える必要があります。
・窓についている網戸は開いていませんか?→開き・破れを確認する
通常、何かの拍子に家の中に入ってきても1~2匹程度。何匹もどんどん入ってくるのは異常です。我が家でも建物内にミツバチが入ってくる事はありません。近くに蜂球があったり、建物内にミツバチが巣作りしていないか周囲を確認することをおすすめします。網戸無しの家で窓を開けていると、ミツバチの移動経路にされている可能性もあります。
・夕方~夜間で、窓を開け放っていませんか?
彼らは光、特に紫外線に反応しますので、蛍光灯や白熱電球に強く反応します。夕暮れになり巣に戻れなくなったミツバチが家の中に入り込むことがあります。網戸と共に、そのような状況ではないか確認してください。
・換気扇から入ってきていませんか?
換気扇の隙間からミツバチが入り込む、という事が時折あります。稀にフードに巣を作りだしたり、集合住宅の換気ダクト内を住処にすることがあります。後者の場合は管理人・管理会社へまずは連絡してください。
・窓も閉めている、網戸も使っている、換気扇や玄関等でも思い当たらない場合
建物の隙間から出入りしている可能性が高く、屋根裏や壁の中にミツバチが巣を作っている可能性があります。家の外周を確認し、ミツバチが出入りしていないか確認してください。
・1~2匹だが、どこから入ってきたか分からない
外干し洗濯物にくっついたまま室内に連れてきてしまう、という事が時々あります。彼らは蛍光色の服に引き寄せられやすく、洗濯物や壁にくっついて休憩する事も。取り込む時にだいたい逃げますが、「どんくさい」子が時折います。
外が明るい場合、太陽が見える窓を開けて逃がしてあげましょう。
外が暗い時間の場合は……どうしようもないので、殺虫剤等で対応しましょう。
公園や神社といった公共の場所で見つけた場合
まずは管理者に連絡を。基本的に無害ですが、どうしてもブンブンと音をたてている上に、妙に黒い塊になっているので慣れないと恐怖を感じやすいものです。公園は各市町村の窓口や町内会長さんへ。神社では管理する神職の方や、地域の神社なら当番組合や氏子総代、町内会長さん等に連絡してみてください。
地域の養蜂協会の連絡先について
回収が必要そうな状況であったり、公共の場所等でどうしても困った場合の手順です。「庭先の花にミツバチがたくさん来て困る」とか「家の中にミツバチが数匹入ってきた」といった、個人で何とか出来る話では問い合わせをしないようにしましょう。
電話帳から、お近くの養蜂家さんを探します。趣味ではなくお仕事でミツバチに携わっている場合、〇〇養蜂・〇〇養蜂業・〇〇養蜂場といった名前で出ていると思われます。また、近くに趣味で飼育している人がいれば、相談してみても良いと思います。電話帳にカテゴリがある場合、「養蜂業」または「はちみつ販売」といったカテゴリに分類されていると思われます。
市役所の対応してもらえる課に電話をするのも手です。ただ、公共の場であっても、例えば富士市の場合は公園の場合は「都市整備部 みどりの課」が公園の管理をしています。それとは別枠で「市民部 市民安全課」で市民相談を受けており、どこに問い合わせすれば分からない事もあると思います。ですから、総合窓口やコールセンターを経由して適切な部署に繋いでもらうのが良いかなと思います。
それでも見つからない場合、一般社団法人 日本養蜂協会(通称:日蜂協・にっぽうきょう)にリストがあります。……が、リストがとても見つけにくいので該当ページへのリンクを掲載しておきます。こちらです。お近くの地域養蜂協会の連絡先を探し、そこから近隣の養蜂家・養蜂業の方を紹介して頂くのが良いかと思います。
長くなりましたが、ミツバチを見つけた場合の対応についてでした。
近くの養蜂家さんのミツバチだけでなく、趣味飼育のミツバチや自然のミツバチ群(どこかの木の中とか、家の屋根裏等に居る)も、この時期になれば普通に飛び交いますので、もしも見かけてもパニックに陥らず、落ち着いて対処して頂ければと思います。
ミツバチは基本、温厚な「動物」です。余程のことがない限りは刺されることはありません。ただ、好奇心が強い上に、人間に例えるなら「ド近眼」なので、頭のまわりをクルクル飛び回って、(ミツバチから見て)あなたが何なのかを確認される事もあるでしょう。驚いてしまうかもしれませんが、追い払ったり、「急」な動作をしなければ興味を失って数秒後には飛び去ってしまいます。どうか冷静に対応してください。